2003 年の庭

                                              
2003年 家の工事
 昨年末からついに新築工事が始まっている。この1年間はもっぱら棚田の上段と2段目に建てている家の工事に従事。そのために、3段目に作りつつあったあ ずまやの工事も途中で中断した。

2003/1月の新年初の庭仕事は、ラッパ水仙の植え付け。あずまや花壇の 斜面cに植えた。まだ余り、花壇の苗床にまとめて置いた。
このところ、工事の始まった家に集中して、あまり庭仕事ができない。

造園家の栗田信三氏が東京から訪れている。キンカンやそ の他の細々した苗を持ってきてくれた。夕べは食事の後、写真や雑誌を見せてくれながら自分の庭作り の仕事について語った。きれいきれいな花を多用するのでなく、ほとんどが樹木で、都会の小さな庭に自然を創出する彼のナチュラルな庭作りは共感を持てる。 彼の「彩苑」の仕事は雑誌や本に発表されている。

あずまや花壇の苗床に、チューリップの芽が数個出ていた。赤紫色を下力強そうながっちりした形だ。小松菜が生えていて窮屈そうなので間引きをした。ダス・ ワンネスの土なので、ほかにもオオイヌフグリやカラス野エンドウなどの草がはびこっている。でも抜かない。きっとこの草を突き抜けて元気に伸びると思う。
和ズイセンもラッパも、どうやら今年元気に咲くのは無理なようだ。

エドが裏山からダンプいっぱいの黒土を運んできた。みるからに栄養豊富。
ソローヒルへ行き、下ろす。農道ぎりぎりにダンプを止め、一輪車で一杯ずつ下に運ぶ。
二台の一輪車に私がシャベルで入れ、エドが往復する。30分ほど。

ロージー・ガーデンで斜面の盛り土。丸太を2〜3本横に して土止めをし、そこによい土を入れた。土手面を切り詰めた粘土も混ぜて。よい土には粘土が必要、 と本で知って喜ぶ立派な上げ床になった。クリさんからいただいた苗木を植え付ける。結局2時まで一気に働いてしまった。水撒きが必要だが、このところ晴 天続きで水も少ない。フキノトウが出ている。

今朝、鉢から抜いた吊る薔薇、アイスバーグの挿し木苗を5本、ロージー・ガーデンの新しい苗床に植え付けた。ついでに、いただいた細々した苗も。
ずっと晴天続きで粘土はカラカラ。水をあげたが、生コン作業で上でも水を 使っているので、そうそうたっぷりはやれない。遠慮しいしい出来る限りの範囲に水 をあげた。この広さの庭では、水やりの量も多い。水が間に合うだろうか、と心配になる。すると、水を好む薔薇は適量にした方がいい。そして乾燥に強い植物 を植えなければ。その点、斜面に植えたオリーブは、色つやがいい。やはり地中海の風土とここは似ているのかしら。海が近く、砂漠のような乾燥した土で。
もっともっと、腐葉土や黒土を運んでこなくては。
エドは山で見つけてきた小さい落葉樹を植え付けた。何かは知らねど、春が楽しみだ。

あずまやの影が大きい。出っ張りを少し切るか。建物全体を後ろに引くか。まだ屋根が出来ていなくてよかった。
大工さんたちがお茶と食事をしている間、少し庭作り。一段目から二段目の斜面に立派な道が出来たので、とても下り易くなった。

ダス・ワンネスから持ってきた白い房咲き水仙ーーとても香りがいい、の苗をロージー・ガーデンの斜面に植え付け。それから、リュウノウギクが咲き終わって まっ茶色になったので、それも掘り出した。けれども根元にはすでに、新しい茎が生えている。これはあずまや花壇の斜面に、野菊のそば。タチアオイのごっつ い根は、薔薇の次の苗床に。
エドは、ロージー・ガーデンの水仙の斜面の土止めを杉丸田三本で作る。そこに、土手面の切り土をした粘土を入れる。そして良い土を。「今年は水仙の花咲か ないわね。来年はいい花を咲かせてね。」と水仙に言うと、そばにいたエドが、 「蕾が出ていますよ」と指し示した。見ると、短いながらも確かに蕾を付けた 茎が一本延びていた。「時間が掛かるでしょう」と焦ったりあきらめたりする私をやんわりと慰める。

くりさんから頂いたキンカンの実を鳥が食べているので、エドが全部収穫した。砂糖漬けにして、お湯で溶いて飲もう。

冬至から一か月、だいぶ日が高くなり、日照時間も延びたのでうれしい。
野の草の中でも、ホトケノザがすでにピンクの花を付けている。フキノトウも出ている。菜の花がチョボチョボながらも黄色の小さな花を付けている。こうして やがて春が来る。じっと待とう。

家の工事進行が2棟に集中して庭には注目が行かない。でも、あれを、これを移植、と常に心の中で唱えている。土はカラカラに乾き、粘土色だ。草々は少しず つ生え出ているものの、敷いた杉チップや藁で茶色一色。春夏のあふれるような緑が懐かしい。隣の梅林の梅が咲き始めた。
2段目へ下りる幅広の道に砂がまかれ、いよいよ工事現場の道以外のなにものでもなくなった。
ハコネウツギやウツギが掘り出され、移植したものの、まだ生きるかどうか分からず心配。
そろそろ寒肥もやらなければ。

エドが山から土を掘り出してきてソローヒルに運ぶ。大工さんのカンカンする音を聞きながら、
暮れかかってきた中で庭仕事を少し。ダス・ワンネスの裏の中くらいの桜の木を 移植する場所を
決めて、エドが苗床造りをしてくれた。スロープ斜面に。今年の春に咲いてくれるといいな。

エドがついにダス・ワンネスの裏の野原に植わっている桜の木を掘り出した。1時間掛かった。
これはここの友人のhさんが数年前、小さな苗をくれ、すでに3メートルになった。根は大きい
と思ったのだが、石ころがごろごろとあったせいか、それ程広がっていない。
桜の木を植え付けた。杉の間伐材で盛り土をし、3本のつやつやの緑をした竹で支柱をした。
立派に出来上がった。大工さんが、何でも出来るのだね、と 感心。「便利屋さんですよ」でも、「つくかなあ」と植え付け前の根を見て言ったのだ。
エドは根をしっかりと見て、蟻がいるのを見つけた。そこで木酢液を薄 めて根に撒いた。
それから腐葉土や良い黒土を入れてしっかりと植え付けたのだから、きっと4月には美しい
花を咲かせてくれると信じている。
トサミズキとシモツケを掘り出して植え付けにスタンバイ させ、桜の並びの斜面に低く植えた。

久し振りに庭と取り組む。寒肥として油粕を前から植えている木の根元にやった。斜面に植わっているので、足下が危なくて疲れる。けれどももう芽を出してい る木もあり、どうか元気に育ち、緑の葉と美しい花を咲かせておくれと祈る。
チューリップの芽もあちこちで突き出ている。水仙はやはり、窒素が多すぎたらしく、花はぽつぽつとしか咲かない。手入れをして、来年に期待しよう。
林の庭では、小松菜と菜の花が青々しい。一部の土手では、花の咲いたホトケノザが長く伸びている。春になったらどのように緑が展開するのだろう。ダス・ワ ンネスの野の花がここでも満開だ、嬉しい。

これまでに植え付けた植木のほとんどが芽吹いている。植えれば花が咲くのだ。植えなければ存在しない。要するに自分の努力、自分がしなければ何も為されな い。

今日はついにアオキとゲッケイジュを数本植え付けた。常緑樹である。 月桂樹はベジタリアンのシンボルなので、それに桂冠詩人に与えられる葉なので、そしてハーブとして欠かせないので、自分の仕事の励みになるように、私の書 斎予定地の真ん前に植えた。
名の知れない落葉樹は林の段へ。菜の花の群生の中に木々が立ち、たった三本なのにもう、林の雰囲気が出ている。その他の木を殺風景なところへ。どんなに小 さくても木が植わっている、それだけで風景が和む。

移植した桜の花が少し咲いた。トサミズキも黄色い花の房が下に垂れて来始めた。雪柳は、葉が緑になり、白い花を少しつけた。桑の木の葉芽の真ん丸いことに びっくり。とても可愛らしい。ムスカリが紫の房を現した。昨日、真っ赤な芽が藁の下にたくさん出ているのを見つけた。これはダスワンネスにKさんが植え付 けた芍薬の芽だ。山吹も、柳も、紫陽花、小手毬、その他の不明の木にも、たくさんの芽が吹いている。あと一月もすると、どれも緑色になるのだ。八月から七 か月、あっと言う間のことだった。もっともっと頑張って、木や花を植えよう。移植しよう。

いよいよ芙蓉と酔芙蓉を移植する時が来た。3本を注意深く掘り出す。 挿し木から始めて
2年目。去年の晩夏から、とても美しい花を咲かせてくれた。今年はソ ローヒルで、と期
待する。酔芙蓉はメイン斜面の入り口、芙蓉は中央、そしてあずまや花壇の斜面に植えた。
どれも大きく枝を張って、大きな円形の株になるは ず。
紫陽花も移植時なので、ダス・ワンネスから掘り出し、ソローヒルの下の方にあったのも掘り出して、メイン主斜面に植えた。粘土がバッチリついてとても重 い。エドと二人で引きずり、エドが大きな穴を掘り、こうしてやっと植え付けた。きっと良い成果があるに違いない。

東京から「彩苑」のクリさんとスタッフのがんさんが到着。私の念願の樅の木の移植のために、
根巻きをしてくれるのだ。裏の野原の真ん中にそびえ立っ てい る。一度エドが剪定をしたの
で枝振りは軽やかだが、それでもまだ十分でないらしい。木の根の周囲1mくらいを正確な
円周に掘っていく。石がごろごろ出てく るような土地なので、シャベルで、人の力で掘るのは
なんと大変なことか。掘り終わると人が十分入れるくらいの堀になった。木の根が何本も横に
伸びて、しっ かりと大地とつながっている。その根の大本に近い部分の皮を少し削り、芽を
出させる。そして来年移植のときに、大きな根を切り離す。
枯れずに生き延びて、ちゃんと新芽を出してね、と祈りを込めて、ござと藁でむき出しの
根を包み込み、周囲に堆肥をたっぷりと詰め込んで水をやり、土を被せ る。そうして移植
の時をじっと待つ。木も待っているのだが、私もソローヒルの家の横にこの木が植えられる
その時をじっと待つ。

この樅の木は、エドが私と知り合ってすぐの1980年の クリスマスのために、小さな小さな鉢植えを500円で買ったもの。自転車の前のカゴに入れて運んで きた。鉢植えから地面に降り、そして数メートルの高さ、根の回り80cmになった。NHKテレビの「おはよう日本」の私たちのシリーズ番組では、12月、 この樅の木に鈴などで飾り付けをし、アナウンサーが鈴を鳴らす場面か




ら始まった。私たちの人生と生 この木を、最後まで共にありたいと願い、 ソローヒルへ移植したいと言ったら、あまりの大きさに、エドは不可能だとあきらめさせようとしていた。そこへクリさんが登場し、移植をしてくれるという。 私は狂喜した。クリさんがんさんのおかげで、〃家族〃と別れないですむ。
この日で私たちの鴨川暮らしはちょうど丸15年。長くそして短かった。

エドが山から掘り出したのは、アブラチャンという面白い名のクロモジと近縁らしい。
そっくりな匂いだ。つやつやした葉が美しい。
少しずつ、木に葉が開きだしてうつくしい。枝垂れ柳の葉は特に美し く、モリスが魅了されたことがよく分かる。ドングリから育てたミズナラの小さい苗にも新 しい芽がついている。昨日エドが植え付けてくれた鉢植えのノウゼンカズラの木は、折れてしまっているが、きっと大丈夫だろう。

緑がどんどん濃くなり、草の繁殖が凄い。とくにヤエムグラがはびこり、ぎざぎざのつるが伸びて、ずいぶんたくさん取り除いた。チューリップが二か所で咲き 誇っている。とくに花壇の中
の菜の花やホトケノザなどの草と一緒に咲かせたのはワイルドでいい。この調子で自然 風花壇を作っていこう。
山から取ってきた山吹が一つ二つ花を付けている。一重の私のすきな花 だ。「エド、見て、山吹が咲いたわ。ありがとう」と呼び掛けた。彼は知り合いからいた だいたいちょうを2本、植え付けている。すでに5本あるからどこがい いかと、思いあぐねている。「大木になるでしょ」「でも私の生きている間にはそんなに 大きくならないから」と私はどこに植えてもいいと主張するのだけど、用心深い彼はなかなか場所を決められない。結局、大きくなっても邪魔にならない山側に 植えることで決着。

ダス・ワンネスからもってきた紫ツユクサとアマドコロまたは鳴子百合をあずまやの前に、しゃくやくとアヤメと一緒の場所に植えた。ここを和庭と呼ぶ事にする。
山百合の苗が凛々しくスクッと立っている。2本しかないが増えるといいな。
花水木も芽が柔らかくなっている。そして桑の花の房が少しずつ大きくなっている。実がなれば豊作だから、今年こそ桑の実のジャムやお菓子を作ろう。
トサミズキの黄色い花はまだ枯れずに黄色い。ずいぶん長い間楽しめるものだ。挿し木して増やせばよかった。まだ遅すぎないだろうか。
柳はいよいよ緑に若い葉を茂らせている。
ああ、なんという喜びだろう。命が育っていくのを見守るのは。

チューリップが力一杯開いて花びらが反り返り、巨大に見える。この様子はモリスのテキスタイルにデザインされている。
草取りをした。エドが草刈りで刈ってくれた。残念ながら咲かなかった水仙たちは、来年を期待して切った。

グラウンドカバーを裸の土に植えようと、菫とツルじゅう にひとえをダス・ワンネスから持って来て、斜面などに植えた。バイモも花が終わったので、球根を掘り出してこちら に移した。あずまや花壇に斜めに小さい花壇を付け加えたら、もっと見栄えがした。土中に井戸からの配管をするために、職人さんが来て、花壇を横切って溝掘 りをしている。粘土質で大変な作業だが、そこはプロ、早い仕事だ。
 
ダス・ワンネスの野原に白い花をつける木があちこちにあったので抜き取り、移植。生き返るといいのだが。これは紅葉イチゴでまたはキイチゴで黄色い実がつ くという。つけばいいな、楽しみだな。
ジンジャーの根を掘り出したが、植え付けるのは古い根でなく、新芽だという。重たいのを持ってこなくてもよかったのだ。U字溝に沿って植えたいので、エド に任せよう。

さて、これから夏の野菜を植えなくては。花壇の中に、花に交えて育てることにした。イタリア、ミラノのペンションの中庭でみたように、薔薇とトマトとか。 こういうやり方を〃ポタジェ〃というらしい。組み合わせを考えなくて は。

ドングリから育てたミズナラが順調に育ち、たくさんの枝 と葉を茂らせているので嬉しい。高さは30cmくらいなのだが。がまずみたちも、まだ10cmくらいの高さで美しい葉を茂らせている。
手当たり次第に雑草抜きをやる。ヤエムグラとホトケノザが伸びきってしまい、木の根元が窒息しかねない。これから草との攻防が始まる。夏の野菜苗を植え付 けるために、草の生い茂る花壇の手入れ。

芍薬は株分けして植えたせいか、とても元気に伸び、花の蕾を付けている。以前より3倍くらいの本数に増えた。そして3本、花びらを開き始めた。このピン ク、私の大好きなマジェンタ色なので好きなのだ。あずまやのすぐ前に植えたアヤメの濃紫と紫ツユクサの淡い紫、この三つの色がとても美しい。来年はどれも もっと沢山に増えて、見事だろう。ここが和庭。

これから、菫、紫花菜、つるにちにちそうなどの紫のグラウンドカバー を移植しよう。
エドは、これから雨らなるから、と、クローバーの種を、丸裸の年度の土の上に撒いている。何時か撒いたのはもう芽を出して緑色に土を変えている。
「蒔かぬ種は生えない」。

桜には真っ赤な実がなっている。エドは食べられるかな、と喜んでいるけれど、何時かテレビの桜の特番で劇作家の渡辺えり子の話に、さくらの実は毒だった、 と言うのがあったので、これはきっと毒よ、といったのだが、どちらかが食べてみなければならない。どちらが死んでも困るのでやめた。
この花壇の紫陽花には花の蕾がたくさん付いた。芙蓉を2本植えてあるのが、まだ何も変化がなく、咲くかしら、と不安。

挿し木して大きくしたムクゲは、大きいのがなかなか芽が 出なかったのが、この頃ようやく芽をつけてくれて一安心。夏から秋にはソローヒルのあちらこちらに ムクゲが咲く。小平の家の庭にも大きな木があったっけ。小平の家は母の思い出と結び付いている。そして84年に私が流産して府中病院に2,3日入院してい た時に、エドが届けてくれた白いムクゲの一輪の花。

ニセアカシアが葉をたくさん付けだした。挿し木の小さな 苗も葉を付けている。桑の実がどの木にもびっしり。まだ赤いので黒くなったら収穫して、ジャムやパイにしよう。
春菊の花が咲き揃い、とてもきれいだ。菜の花は終わり。
マーガレットの苗、トマト、茄子、ピーマンの夏野菜の苗を買い、植え付け。ま

去年の夏、炎天下で草取りをして、そこに杉のチップを敷き詰めて草が生えないようにした。それからの庭作り、というより植樹をしてから10か月が経った。 殺風景な単なる野原から、家が建ち、どうやら人の手が入っているように感じられる庭になりつつある。

Mさん一家が来訪。美しく咲いているウィリアム・モリスの薔薇の大き な株を新築祝いにくださった。モリスの好きな私のために、ずっと挿し木から苗を育ててくれていたのだ。手作りのかわいい絵入りカードがついている。うれし い。
桑の実が段々黒ずんできて、甘みもまし、食べ頃になった。ところが早速カラスがつついている。収穫の競争だ。でももう豆腐チーズケーキに使ったもんね。
白い卯の花が咲きだした。自生なので強く、あちらこちらでいつのまにか株が増えている。移植した紫陽花にもたっぷりと花芽がついている。
クチナシはどうかしら、と見たが、草の中に埋もれてしまっている。まったくもう、この間草を抜いたばかりなのに。でも草には草の働きがあって、悪いことば かりでなく、水の保持や虫の居所にになってくれるから、かえって花を守ってくれることにもなる。

ヒマワリの種を蒔き、移植したジャノメソウとジンジャーも元気がい い。
これからいよいよ庭のデザインをしなければ。ただ草や花や木を植えているだけでなく、そこに、人間の技と心を入れるのがデザインなのだから。
           
彼岸花が咲き始めた。一か月早い。日差しは強いが家の中 は全くさわやかだ、外は明かるい陽射、中はさわやかな風か透き通って過ぎていく。
久し振りに野の花を飾る。くず、彼岸花、金水引き、エノコロ、のぎく、こまつなぎ、それに仙人草と白いツリガネ草。
屋根 から何か所からの樋を経て、一か所に集め、雨水を利用する、雨水タンクを作った。大勢の男性たちが手伝ってくれた。これは大工事だ。 

雨水タンク
にひびが入り、満杯の水が全部出てしまったの で、その直し。職人さんが3時まで働いて雨水タンクの垣を杉丸太で作った。

雨が降らないのは2週間以上になる。よく井戸水がもっているものだ。エドが計ると、現在節約して一日10cm使う。あと1mとすこし残っているので、10 日間井戸水が使えるということだ。洗濯の水は除湿機からのものを使う。

エドがコーヒーをあずまやまで運んでくれた。すてきなあずまやを作りたい。冬には庭園作りに着手しよう。一列に群生するはずだった彼岸花は、草が深く茂っ たのでぽつぽつとしか咲いていない。私の怠惰なせいだ。からからなのにムクゲや芙蓉、朝顔、サルスベリがピンクの花を咲かせている。まったく不思議だ、水 がないのに。

朝から草抜き。と昨日と同じだ。草抜きはあずまや花壇の段までやった。薔薇が弱ってきている。ダス・ワンネスから運んだ紫式部が見事な株になり、実を付け 始めている。オクラの丁度いいのが取れた。トマト。なす。ピーマン、きゅうりはもう終わりだ。
ついに井戸水が出なくなった。水道の蛇口からは水は来ない。早く雨が降ってほしい。去年の秋から、雨がとても多かったので、8月末から今までの日照りは予 期しなかったことだ。エドが午後、ダス・ワンネスから100リットル運んで来た。そうして雨水用の水道水にして使うのだ。一階は普通に出たか、二階までは ポンプの発力が上がらず、ちろちろしかーーダス・ワンネスの程度しか出てこない。それでも流水が出ることは本当にありがたい。


庭に出て、花摘み。真っ黄色のキクイモと真っ赤な彼岸花のコントラスト。それを和らげるためにススキを入れた。ネムノキの手入れ。コスモスが咲きだした し、彼岸花は今がお彼岸とばかりに咲いている。
朝から庭に出て、オクラ畑の草取り。それからあずまや花壇の段の草取り。そろそろチューリップなどの球根を植えなくては。雨水タンク周辺の盛り土をしなけ ればならないのだが、エド一人では到底間に合わない。

ダス・ワンネスの裏の隅に咲いているキンモクセイの枝をエドが折って来た。家の三か所に飾り、あちこちで甘い香りを放っている。
出窓から見る空は雄大だ。下の畑では、フォックスフェイスの黄色が目立ってきた。庭のコスモスが美しい。
花をたくさん飾った。庭の花ばかり。ホトトギス、コスモス、紫式部、ススキ、キクイモ、力芝、フランス菊、野菊など秋の花。

夏に掘り出した球根を雨水タンクの回りに埋めた。チューリップと姫非扇水仙だ。エドがレンゲの花の種も蒔いたし、ここがきれいな緑地になるといい。
ピンクの山茶花がたくさん花をつけた。今ごろになってジンジャーの花が幾つか咲いている。
さあ、家の中のことに掛かり切りだったが、そろそろまた庭仕事に励まなきゃ。

庭から花を摘み飾る。スタジオには染め付けの醤油差しに竜脳菊と山ハッカを。書斎には、
私のデスクに染め付けの徳利にアザミを。ゲストテーブルの所には、 窓辺に一輪のピンクの
薔薇を黒クラシックの花瓶に。そして同じ窓辺の幅木の上に、エドが今朝とってきたオレンジ色
のカラス瓜をコーナーの両側につるを伸ば して置いた。

仕事場と生活棟をつなぐデッキが完成。15坪の広さ。3方に家の壁があるので、コー トヤード
と名付けたこの下にねむの木の切り株が あり、脇から小さな枝が出ていたので、これを上に
伸ばすために、四角い穴を開けてもらった。成長して、コートヤードの木陰となって欲しい。


                  2004年の冬。ネムノキは やっとデッキから頭を出した                                                                                

2006年夏のネムノキ。 花が満開


エドが一生懸命に砂利を敷いて作った250メートルのわが家へ導く農道、恵道え どうの我が家入り口の溝に薄く氷が張った。
私がドングリから育てた柏は、一本は私の頬くらい、140cmにも伸び、2本とも美しく
紅葉している。さあこれからこの広大な庭をどのように美しくするか、大仕事だ。
この秋の台風や豪雨であずまやの柱が倒れ、傾いた。青のビニールシートで覆われたあずまやの
工事現場はどうにも醜くなってしまっていたので、これを何とかしたいと思っていた。
壊れたのを機会にして思い切って 取り払った。するとどうだろう、さっぱりしたばかりでなく、あずまやの向こうの栗の林がとてもすっきりと美しく見えるで はないか。ここを建物で塞ぐのは
やめよう、と決めた。

工事をしながら、外回りにも手を入れている。職人さんと一緒に、エドは排水路や4段目にある
井戸からのパイプを上に引っ張り、巡らす工事。
それで植樹は庭を突っ切るパイプをよけてする。

こうして、庭のデザインは、自ずと生活様式に従って決まる。
とにかく工事中の庭仕事は、土作りと木を植えること、球根や種を蒔く ことを手当たり次第に
やった。まだ庭を巡る小道も決まらず、できていない。
でも、ダス・ワンネスから移植した木々は、順調に育っている。少しずつ花や緑が増えている。
木々の中には、東京・小平市や国分寺市に住んでいた当時から庭に植わっていて、ここまで
運んだ木も何本かある。とくに、96年に亡くなった母が楽しんでい た花木は大切にしてきた。
アジサイ、ぼけ、雪柳、ツツジ、ビヨウヤナギ、レンギョウ。それらも元気でますます大きく
なっているのはうれしい。

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